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ペンでありながら美しい筆文字が表現できる、筆ペン。ペン先の柔らかさによって軟筆タイプや硬筆タイプに分かれていたり、宛名書きに適したものから書初めに適したものまであったりと、非常に種類が豊富です。
しかし、たくさんある筆ペンから自分にぴったりのものを探し出すのはなかなか難しくありませんか?年賀状や書き初めなど、筆や筆ペンに触れる多いこの季節。そこで今回は、筆ペンのタイプと選び方についてご紹介します。
筆ペンの選び方~穂先の種類で選ぶ~
〇硬筆タイプ
初心者におすすめなのは硬筆タイプです。硬筆タイプとは穂先に使われている芯材が硬いもののことで、まるでフェルトペンやサインペンのような感覚で文字が書けます。そのため、筆ペン初心者でも簡単にトメやハネが出せるのが魅力です。
サインペンやフェルトペンでは書けないような筆文字が書けるのは事実なので、年賀状の宛名やご祝儀袋の表書きなど、年に数回しか筆ペンを使わない方に特におすすめですよ。
〇軟筆タイプ
硬筆タイプとは対照的に芯材が柔らかく作られているもので、筆圧の強弱によって文字の太さを自由に調整できます。そのため、文字の表現に幅を生むことが可能です。
また、最初こそその書き心地に戸惑いを感じるでしょうが、穂先に適度なコシがあるおかげで、慣れてさえしまえば硬筆タイプよりも使いやすいです。
〇毛筆タイプ
毛筆タイプとは穂先にナイロン製の毛が採用されているもので、前述の2種類よりもさらに筆の書き心地に近づけられています。そのため、普段から書道を嗜む方でも満足な使い心地です。
ただし、毛筆タイプは筆圧がダイレクトに穂先に伝わってしまうため、初心者では扱いにくいかもしれません。もちろん、初心者でもダイナミックで味のある文字は書けますが、基本的には書道経験者におすすめです。
筆ペンの選び方~インクの種類で選ぶ~
〇染料タイプ
染料タイプとは、色の付いた物質を水に溶かしこんだもののこと。墨汁のような伸びと発色の良さを誇っており、年賀状の宛名書きといった文字を書く作業に適しています。
基本的に筆ペンは、この染料タイプのものが最も多いです。筆ペンの使用頻度が少ない方はこちらがおすすめですよ。
〇顔料タイプ
顔料タイプとは、水や溶剤に溶けにくい粉末状の着色成分が使われているもののこと。耐光性や耐水性に優れており、穂先を紙に押し当てても文字が滲みにくいです。
また、短時間で乾きやすく、重ね塗りも問題なくおこなえるため、特にイラスト用に適しています。細かい書き心地や文字の表現にこだわる本格派の方におすすめですね。
いかがでしたでしょうか。筆ペンは通常の筆よりも手軽でありながら、本格的な筆文字を書くことができます。ただし、筆ペンは種類によって向き不向きがあるので、購入する際は利用シーンをよく検討してから商品選びをおこないましょう。
硬筆タイプや軟筆タイプといった穂先の種類、染料タイプや顔料タイプといったインクの種類、細字タイプや太字タイプといった線の太さなどから、ご自身の用途にあった筆ペンを見つけてくださいね。
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年末が近づいてまいりました。何かとお忙しい時期ですが、体調崩されないようにご自愛ください。そして素敵な年末年始をお過ごしください。