作り手

奈良県奈良市『岡井麻布商店』

No.001

気持ちよく、そして長く使える創業157年の伝統を持つ麻の蚊帳ふきんの魅力とは?

ナチュラルな風合いで女性に人気の麻織物。江戸時代から奈良県の特産として知られ、その中でも奈良晒と呼ばれる最高級の麻織物は江戸幕府御用達として徳川家康からも愛された名品です。 この奈良晒や麻製品を作る創業157年の「岡井麻布商店」さんに商品への想いや麻製品のことなどお話をお伺いしました。

作り手 『岡井麻布商店』
お話を伺った方

岡井 大祐さん

お取り扱い商品
  • 麻の蚊帳ふきん
  • 麻のコーヒーフィルター
  • 手織りコーヒーフィルター
  • 手織り麻巾着ポーチ

奈良に縁ある麻織物はその歴史も興味深いですが、機能的にもこのように本当に優れています。

気持ちよく使い続けられる風合いと機能性

他にはない通気性と速乾性、麻蚊帳は使い続けてもしっかりとした生地感を持続するので、長くお使い頂けます。例えば、出汁を取ったり、野菜の水気を切ったり、器やグラスを拭いて使う。くたってきたら、台拭きに。最後はお掃除などに使って役目を終えていく。そんな使い切ることの大切さを教えてくれる手織麻は持続可能な社会づくりにぴったりのモノだと思いませんか?

どのような人が使っている?

頭でお伝えした通り、女性に人気の麻織物ですが、特に30~50代のお客様が多いそうです。また、正倉院展が開かれる時期には年配の方もたくさんお店に足を運ばれ、「今年も来たよ」と気さくに声をかけていただくそうです。
そんなお客様とのやり取りを楽しそうに語る大祐さんの柔らかい表情を見ているとお人柄の良さが商品に滲み出ていると感じるのは私だけではないはずです。

お客様とのつながりから生まれる商品

そんなお客様との距離が近い岡井麻布商店さんは、お客様の声を商品開発に積極的に取り入れています。ランチョンマットにして使っていると伺えば、商品開発してみたり、鴻月では手織り麻のコースターなど、お取り扱いしております。
麻をもっと暮らしに取り入れてほしいという想いから、既成概念に捉われない発想で商品開発をする岡井麻布商店さん。麻のコーヒーフィルターにはこんなエピソードがあったそうです。
麻のフィルターはドリップする際に、紙のフィルターと違い、旨味でもあるコーヒーの油分を吸収せずに抽出することができます。展示会で実際にコーヒーをドリップして、来場者の方に無料で提供していた時のことです。
あるコーヒー好きの方が、「これは本当においしい!」と100円置いてくださったそうで、大祐さんは商売の原点だととても感動されたそうです。

商品に込められた想い

「価格や柄の豊富さで私たちは大手や海外製品には太刀打ちできません。だからこそ、1人1人と向き合って、使っていただくことで生活が豊かになるよう丁寧にお作りしています」と熱意を持って語ってくださいました。
「売れるからとか流行だからではなく、お客様も私たちもワクワクするような、そんな想いが伝わる商品をこれからも作り続けたい」と話してくださいました。

麻製品の未来

「工芸品にはお堅いイメージがあるのも事実で、見て綺麗だねと鑑賞して終わりにならないようにしたい」と大祐さん。そのために、麻にはこだわりますが、男性でも喜んで使っていただけるものや革や他の素材と一緒に作る商品など、視野を広げた取り組みを進めているのも印象的でした。
「進歩したいから麻だけに固執しない」と語る大祐さんの力強い言葉に麻の未来は明るく、自分も麻製品を暮らしに取り入れたいと感じました。

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