読みもの

和釘から始まった金属の街、燕三条の包丁

切れ味が良く使う人を選ばずなじみやすい、まさにナイフの先が自身の手先といった感覚、使いやすいから楽しくなってもっとお料理をしたくなる、そんな包丁。新潟燕三条で作られ、世界からもその品質の高さが評価されています。

 

「燕三条でつくれない金物はない」。産地の人々は誇りをもってそう語ります。なぜここで、金属加工業が盛んになったのか、その理由は、風土から読み解くことができます。米づくりで知られる新潟県ですが、燕三条は信濃川のたび重なる氾濫に悩まされており、農業以外の生業が必要とされました。

 

しかし幸いにも燕三条エリアは鉱物資源が豊富なことと、森林が多く燃料も豊富にあったことから稲作の副業として、鉱物加工が始まります。これが、現代の金物工業の起源となっているようです。

 

原点は意外にも和釘で手で一本ずつ鍛造する和釘は非常に頑強で千年以上もつともいわれており、それは時代をたくましく生き抜く人々の精神性にも重なり、燕三条のシンボルとなっていきます。

 

 

明治に入ると和釘の需要は減少します。しかしここからが燕三条エリアの実力の見せどころで、三条は和釘づくりからくわなどの農具、やがて包丁などの刃物へと製造品目を増やしていったとされます。

 

ですから戦後発展したプレスや研磨加工の工程を経て製造される抜刃物とは異なり、日本古来の技法を使いて金属を叩いて製造する刃物で農工具を作る技術を応用して包丁が作られていて、現在では国の伝統的工芸品に指定されるひとつです。

 

 

最大の特徴は、高度な鍛造技術を駆使している点にあります。

 

高温に熱した金属を叩いて形状を整え、冷やして固める作業によって作られていて、これによって成形するだけでなく金属内部の隙間をつぶして強度を高め、摩耗に強い包丁に仕上げてあります。一見シンプルな工程ですが技の習得には長い年月を要し熟練の技が必要です。

 

くり返し鋼と炎に向き合ってミクロ単位の歪みを叩いて調整する必要があるため、職人の腕ひとつで出来栄えが大きく変わるのも特徴。職人のくせなども色濃く感じられ、それぞれに個性があるのも魅力です。

 

ひとつの包丁を作るのにさまざまな工夫が施されています。使用分野ごとに特化した形状や材質を用いて製造しているのもそうした工夫のひとつ。これにより、扱いやすく、切れ味にもすぐれ、長く使える耐久性の高い高品質な包丁に仕上がっていきます。

 

包丁は贈り物にもおすすめです。

 

古くから日本では、刃物は「災いを断ち切り、未来を切り開く」もの、という意味から、大変縁起の良い物の一つとされています。よく切れる包丁を使って、新たな食卓を作り上げていくお手伝いをする、結婚のお祝いとしても、非常に喜ばれています。安心して包丁をプレゼントに選べますね。

 

縁起物として包丁を贈る意味やお祝いの気持ちをメッセージに添えて贈るとより一層喜ばれると思います。

 

鴻月では燕三条で作られたこちらのブレッドナイフを取り扱っております。良かったら1度ご覧ください。

ページト上部へ移動