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心身を休める抹茶の効能と人気の理由

抹茶の鮮やかな緑色と深い甘い香りは、ほっとするような落ち着くような、なんとも言えない美味しさを感じて私は大好きです。近ごろはスーパーの茶葉のコーナーに抹茶が置いてあることも増え、手軽に買い求められるようになりました。

 

ところで、抹茶と煎茶、見た目は似ているのですがその違いはご存じでしょうか?

 

抹茶も緑茶も同じ「茶の木」の葉から作ります。煎茶の茶葉は日光を浴びて育ちますが、抹茶の原料となる碾茶は4月上旬~5月にかけて、黒い覆いをかけて育ちます。この黒い覆いは寒冷紗といい、この覆いをかけることで日光を遮断させるのですが、これを被覆栽培といいます。

 

茶葉は日光を浴びると、内部のアミノ酸の一種のテアニンをカテキンに変化させます。旨味成分であるテアニンが減り、渋味・苦味成分のカテキンが増えます。被覆栽培で日光を遮ると、テアニンがカテキンになるのを防いで、旨味の強いお茶を作ることができるのです。

 

つまり日光を浴びることでテアニンがカテキンになるのが煎茶。一方、日光を遮ることでテアニンが豊富なままお茶になったのが抹茶です。

 

抹茶と煎茶では加工の違いもあります。日本茶は一般的に、お茶の葉を採取したあとに酸化を止めるために高温で蒸す工程があり、蒸した後に茶葉を乾燥させながら揉んで形を整える工程があります。

 

煎茶では、粗揉、揉捻、中捻、精捻と、段階に分けた揉み工程があります。それによって細長い見慣れた形になるのです。一方、抹茶の原料の碾茶はその揉み工程がなく揉まれていない状態で乾燥されます。その後、一定の大きさに砕かれ、石臼や機械で細かく粉末状に加工されていきます。

 

 

煎茶には抗酸化作用、抗ウィルス作用、虫歯・口臭予防などに効果があるのは広く知られていますが、抹茶にはどんな良い点があるのでしょう?

 

煎茶は、抹茶と違い、お茶として飲む場合、茶殻が残ります。この茶殻には、カテキン・ビタミンC・ビタミンE・食物繊維・ミネラルなど豊富な栄養がたくさん詰まっています。しかも、この使い終わった茶殻には、これらの約7割もの成分が残ってしまうそうです。

 

しかし、抹茶は、茶殻が残らず粉末を溶かして飲むので、栄養成分を丸ごと取り入れられる優れた飲み物と言えます。抹茶には、テアニンが豊富に含まれています。テアニンはアミノ酸の一種。旨味成分の一種で旨味と甘味をもたらします。

 

また、テアニンには、リラックス効果があるとされています。お茶を飲んだ後にホッとする感覚、これはテアニンのリラックス効果から来ているとも言われます。その他にはアンチエイジング効果、脂肪燃焼効果、風邪予防効果などもあるそうです。

 

 

そんな日本の伝統「抹茶」は近年欧米で人気を集めています。健康志向の高まりや日本食ブームで、コーヒーの代わりに抹茶を飲む方も増えているそうです。ニューヨークでは、抹茶を使ったドリンクやスイーツが味わえるお店が増え、行列ができる人気店もあるほどだとか。

 

このような世界中でのお茶の需要の高まりもあって、海外の茶畑の面積は年々拡大しています。さらなる人気の高まりとともに、世界中に日本の伝統文化・お茶が広まっていくのが楽しみですね。

 

煎茶の渋みは疲れた時にさわやかな気持ちになる効果があり、一方で抹茶の深みのある香りは癒しになると思います。それぞれのお好みのタイミングで普段の生活に取り入れていけたらいいですね。

 

鴻月では抹茶を身近にお楽しみいただくための抹茶椀や茶筌を取り揃えております。今回の投稿をご覧になられて、抹茶を飲んでみたいと感じ方はぜひ1度ご覧ください。

 

今日も最後までご覧いただきありがとうございます。

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