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陶器とは?磁器とは?【日本の焼き物】

日本の陶磁器の歴史は古く、その技法や用途、装飾方法や美の視点に至るまで、時代によって様々な変化がありました。今回は陶磁器の特徴と代表的な産地をご紹介いたします。

 

陶器は有色粘土を素材とした焼きもの

焼き上がった際に土の色味が出て、全体に厚みがあり、刷毛目や粉引きなどの装飾方法が特徴的です。陶器の代表的なものに益子焼、瀬戸焼、小鹿田焼などがあげられます。

 

一方、磁器は白色粘土にガラス質の長石、珪石 (けいせき) を加えたものや、陶石を素材に用います。素地の色は基本白で、その白さを生かし、鮮やかな色絵が施されます。

 

ガラス成分を多く含むことで、薄くても「石もの」といわれるほど硬く、指で軽く弾くと「チン」と高い音がします。代表的なものに有田・伊万里焼や京焼、砥部焼などがあります。

 

陶器と磁器はここが違う

陶器・磁器ともに主な成分としてガラス質の長石・珪石 (けいせき) と、成形性、耐火性に優れる粘土が用いられます。粘土に含まれる鉄分などの割合によって、完成したものの色も変わります。

 

陶器は粘土が主な素材のため、焼いた後の表面は鉄分などによって色がつき、また土の成分によって色の出方が異なるため、これが陶器の個性にもつながります。

 

焼きものはガラス質を含めば含むほど素地が水を吸いにくくなり、吸水率が低くなるのでこの点で陶器は長石や珪石などのガラス質が磁器と比べると少ないため、吸水率が高いといえます。

 

磁器は鉄分の少ない粘土を選び、長石や珪石と合わせて用いり、これにより白い肌が生まれ、吸水率はほぼ0%となります。また、陶器は素地が多孔質で緻密性がないため光を通しません。これは岩石をイメージしてもらうと分かりやすいです。たとえ薄くても岩石を陽にかざしても光は通さないように、光を完全にシャットアウトします。

 

それに対して磁器は素地がより緻密なので光を通します。透明なガラスほど光を通しませんが、磁器は指の影がはっきり分かります。

 

他には、陶器と磁器は熱伝導率(熱の伝わりやすさ)が違います。陶器には目に見えない細かい孔や隙間がたくさんあります。この隙間は素地の中にも無数に存在します。これは素地の中に閉じ込められた空気とも言い換えられます。

 

陶器の中に閉じ込められた空気が断熱材の働きをするため、熱を通しにくく保温性が高くなります。暖まるまで少し時間を要しますが、一度温まれば閉じ込められた空気のおかげで温かさを保つことができます。

 

磁器はガラス質が多いので、熱が伝わりやすく冷めやすい特性があります。ガラス質で緻密な素地であれば、素地の中に空気の入り込む余地はほぼありません。そのため、熱が伝わりやすく冷めやすいのが特徴となります。

 

代表的な産地

・陶器

益子焼 (栃木県) 、瀬戸焼 (愛知県) 、美濃焼 (岐阜県) 、丹波立杭焼 (兵庫県) 、信楽焼 (滋賀県) 、備前焼 (岡山県) 、小鹿田焼 (大分県) など

*信楽焼、備前焼を炻器 (せっき) とする分類もある

 

・磁器

九谷焼 (石川県) 、京焼 (京都府) 、砥部焼(愛媛) 、伊万里・有田焼 (佐賀県)  

 

陶器と磁器、器選びの参考にしていただければうれしいです。ご家庭の食卓に合う器や季節に応じて陶磁器を選ばれるのもオススメです。

 

鴻月でも信楽焼や京焼など陶磁器をいくつも取り扱っております。

https://kogetsu-skater.jp/products/sort/tableware

 

ぜひ1度ご覧いただけますと幸いです。最後までご覧いただきありがとうございます。

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